秋になると、日本中の神々が出雲に集まり、街は特別な雰囲気に包まれます。この神秘的な季節には、出雲を囲む山々が紅葉で美しく染まります。私たちは秋の旅で、古い歴史を持つ鰐淵寺での紅葉散策を楽しみ、出雲市を見下ろす田部山のハイキングに挑戦しました。
鰐淵寺と田部山はどちらも出雲市の北部に位置しています。旅は地元の一畑電車線の電鉄出雲市駅から始まりました。この駅はJR出雲市駅のすぐ隣にあり、大きな駅舎の東端に入口があります。「バタデン」として親しまれる一畑電車は、川跡駅で乗り換えると出雲大社へのルートもあり、出雲と隣の松江市を結んでいます。
一畑電車はそれ自体が観光名所で、車窓から田園風景を眺めながらノスタルジックな雰囲気を楽しむことができます。中には宍道湖や三瓶山など県内の名所をテーマにした列車もあり、座席には県のマスコット「しまねっこ」の像が置かれている車両もあります。

電車で約20分ほどで雲州平田駅に到着しました。駅舎のすぐ隣にあるバス停から、平田エリアを走る「生活バス」に乗ることができます。バスに乗る前に、近くのコンビニでお昼ご飯を買いました。鰐淵寺までは駅からバスで約20分の距離です。

鰐淵寺は市の北部に位置し、山の中にあるため、市の中心部よりも気温が低く、空気が澄んでいて静かです。

駐車場のバス停からお寺の境内まで、谷を通って約15分ほど歩きます。舗装された道は森の中をくねくねと進み、岩の多い小川を越えます。木々の間から差し込む日差しが美しいです。道沿いには木製の看板があり、仏教の神話を描きながら古いお寺の物語を伝えています。道ができる前、100年ほど前までは、山をハイキングして学園寺に行くしかありませんでした。
ついにお寺の正門、仁王門に到着しました。ここで入場券を一人500円で購入します。仁王門をくぐると、住職の居住スペースがあります。この建物から急な石段が山の側面に沿って本堂の金堂まで続いています。伝説によれば、武蔵坊弁慶という僧兵が、鳥取県の大山からこの石段を通ってお寺の鐘を背負って運んだと言われています。

鰐淵寺の紅葉はとても鮮やかで美しく、地域で最高と称されています。境内に植えられている木々は、一般に「イロハモミジ」として知られる日本のカエデの一種です。赤やオレンジ、黄色に染まった葉が幾重にも重なり、山全体を彩ります。この壮麗な光景は、言葉では表しきれません。

門から住職の居所へ続く道には、もみじの木がそびえ立ち、階段を覆うように深紅の天蓋を作っています。風が吹くたびに葉が舞い落ち、階段は落ち葉で覆われます。11月の後半がこの景色を楽しむのに最適な時期で、鰐淵寺は特に賑わいます。もみじの美しさは、まるで過去の繁栄を思い起こさせる季節の儀式のようです。

本堂でお参りをした後、別の道を進みます。階段の下の横にはキノコの形をした小屋があり、その裏から森へと続く道があります。この道は山の小川に沿っており、約8分ほどの上り坂を進むと、不老の滝にたどり着きます。高さ18メートルのこの滝の背後には洞窟があり、その上には蔵王堂が建てられています。弁慶が修行の一環としてこの滝に打たれたと言われており、その光景を想像させる神秘的な雰囲気が漂っています。
滝は通常、水量が豊富ですが、訪れた日は少し水が少なかったです。それでも、滝の周りの濡れた岩は滑りやすいので、足元には十分注意してください。

6世紀、聖なる僧・智舜上人が、病に苦しむ皇后の目を癒すために不老の滝の前で祈ったと伝えられています。皇后の目が癒されたとき、感謝の意を表すために寺の建立を命じたそうです。また、寺の開祖となった智舜上人が、滝壺に仏具を落としてしまった際、底からサメが現れ、仏具をくわえて返してくれたという話もあります。「鰐淵寺」という名前は、「深淵のサメの寺」という意味です。
その後、滝からの道を戻り、鰐淵寺の正門に戻りました。そこで、紅葉に染まった光の中で簡単なピクニックランチを楽しみました。ハイキングのエネルギーを補給しながら、食事が特に美味しく感じられました。
鰐淵寺 ウェブサイト
所在地: 島根県出雲市別所町148
電話: 0853-66-0250
営業時間: 8:00 – 16:15
いよいよハイキングの時間です。私たちは、自然歩道の一部として整備されている「田淵学園寺モデルコース」に挑戦することにしました。このコースは学園寺の近くから始まり、田淵山の山頂まで標高456メートルに達します。山の尾根を通る道は全長5.5キロメートルです。

ハイキングの始まりからすぐに、50度の傾斜を約10分間登り始めました。周囲はとても静かで、聞こえるのは鳥のさえずりと私たちの息遣いだけです。鳥たちのかわいい鳴き声が、まるで私たちを応援してくれているようでした。

少し登ると、コースは緩やかな坂になりました。地面は黄色やオレンジ、赤の葉で覆われていて、暖かな秋の日差しが木々の間から差し込んでいました。尾根沿いをゆっくり進むと、登りや下りが交互に現れます。道沿いには定期的に案内板が設置されていて、迷わずに進むことができます。
秋にしてはかなり暖かく、ハイキング中に少し汗をかきました。このコースを試す際は、大きめの水筒を持って行って、水分補給をしっかりしてくださいね。

登山口から90分ほどで、ついに約束の地、田伏山の山頂に到着しました。山頂には小さなベンチがあり、3人がちょうど座れるサイズです。その上には標高が書かれたラミネート加工の紙が置かれていました。私たちはその紙を手に取り、旅の記念に写真を撮りました。達成感に満ちた瞬間でした。

山頂から10分ほど歩くと、展望台として使われている広場があります。ここからは、出雲平野を一望できます。まるで天から天照大御神オオミカミが見下ろしているような気分で、ヤマタノオロチ伝説で8つの頭を持つ蛇に象徴される斐伊川から、国引き神話に登場する遠くの園の長浜の海岸、さらには三瓶山まで見渡せました。ハイキングで疲れていましたが、美しい景色が私たちに元気を与えてくれ、下山の力になりました。

下山を始める前に、私たちは広場で少しお茶休憩をしました。お気に入りのお菓子をみんなで分け合いながら、美しい街の景色を楽しみました。

この地点から次の目的地はゴールです。広場からゴールまでは約2キロメートルあります。出雲では11月の日没が午後5時過ぎなので、暗くなる前にハイキングを終えられるように計画を立てましょう。
私たちは再びトレイルに戻り、下山を始めました。このコースには木製の階段が多く、足元に集中して静かに進みました。下山には約1時間かかりましたが、ついにトレイルの終点に到着しました。全体で約3時間の山歩きでした。終わったときにはかなり疲れていましたが、自然の中で過ごした充実感とリフレッシュした気持ちを味わうことができました。

次に、私たちはその日の最終目的地である興国寺に向かいました。ハイキングコースの終点から約500メートルの場所にあります。
興国寺は12世紀に建てられた歴史あるお寺です。このお寺の見どころは庭園で、アメリカの雑誌「Journal of Japanese Gardening」で日本庭園トップ10に選ばれています。有名な枯山水の庭と、田伏山のふもとにある自然の池が調和した壮大な景観を楽しめます。
この静かな庭園を、先ほど登った山を背景に眺めることは、私たちにとって特別な一日の締めくくりとなりました。

出雲では、秋は特別な季節です。神々が集まるこの時期、私たちは出雲の自然美を存分に楽しむ旅に出かけました。出雲は歴史と文化が豊かなだけでなく、自然との触れ合いも楽しめる場所です。ぜひ、出雲でハイキングをして、特別な冒険を体験してみてください!
康国寺 ウェブサイト
所在地: 島根県出雲市国富町1301
電話番号: 0853-62-2213
営業時間: 9:00 – 18:00
- アドバイスとまとめ
- この記事で紹介されている駅では、ICカードが使えませんので、改札に向かう前に必ず紙の切符を購入してください。また、バスに乗る際は現金が必要です。平田生活バスは、学園寺まで1日に5便運行しています。運行時間は、雲州平田駅を9:20、11:56、14:04、15:23、16:11に出発しますので、時間を確認し、計画的に行動してください。
ハイキングを楽しみたい方は、脱ぎ着しやすい服を重ね着することをおすすめします。ハイキングは汗をかくほどの運動量ですが、特に秋には日が沈むと山がかなり冷え込むことがあります。また、水を十分に持参することをお忘れなく。ハイキングコースの近くにはコンビニがありませんので、出発前に準備を整えてください。雲州平田駅のコンビニが、山に入る前に飲み物や食べ物を買う最後のチャンスです!