出雲について

Vol.14 酒造りの神・クスノカミを訪ねて ― 古代史に名を刻む神社へ

出雲地方と日本酒は深い関わりがあり、長い歴史を共有しています。酒造りの神を祀る「佐香神社」は、733年に編纂された『出雲国風土記』にも登場します。

佐香神社

佐香神社は、日本酒の初めての醸造を記念する神社です。伝説によれば、多くの神々が近くの川のほとりに集まり、台所を作って食べ物や特に酒を準備し、何日も続く宴を開いたとされています。「佐香」という名前は「酒」に由来し、現在でも神社の境内で酒が醸造されています。毎年10月13日には「どぶろく祭り」という重要な行事が行われ、宮司がどぶろく(未精製の酒)を醸造し、島根県中の酒造家が集まり、それを飲んで良い年を祈ります。酒は米の発酵から作られ、佐香神社には発酵の神々、例えば醤油の神も祀られています。最近では、世界中で日本酒の人気が高まっているため、特に10月のどぶろく祭りの日には、海外からの訪問者が増えています。

奉納された酒樽

この神社は丘の上にあり、道路からもアクセスできますが、多くの参拝者は丘のふもとの石の鳥居をくぐり、長い階段を登って訪れます。本殿には神職のみが入ることができ、無塗装の杉材で作られた大社造りの建物です。本殿の前には拝殿があり、参拝者はここで儀式を行います。神職は拝殿に隣接する小さな控えの間で儀式を行い、そこから本殿の扉へと続く階段があります。控えの間には、伝統的な祭壇の机や灯籠、神を象徴する鏡が備えられ、奉納品として特に大きな酒樽が置かれています。これはこの神社の特徴です。境内にはいくつかの小さな神社もあり、その中には疫病の神を祀る疫神社もあります。